
一戸建ての購入を検討する際、建売住宅にするかそれとも注文住宅にするか、迷う人も多いのではないでしょうか。建売住宅は、土地と完成した住宅のセットで販売されています。注文住宅は、建てたい住宅の設計をハウスメーカーや工務店などに依頼し、家を建てていきます。
建売住宅と注文住宅の大きな違いは、価格に表れます。建売住宅は注文住宅よりも安い傾向があり、注文住宅はこだわりをハウスメーカーに依頼できる自由度の分、価格が高くなります。
工期についても違いがあります。建売住宅は契約さえ済ませれば1ヶ月ほどで入居が可能となりますが、注文住宅の場合、設計の依頼をしてから実際に家が完成するまでには4~10ヶ月ほどかかると言われています。
購入手続きに関しても、両者には大きな違いがあります。建売住宅は土地と建物を購入するだけですので、契約時に手付金を支払い、残りをローンで返済する手続きを整えれば終了します。住宅購入にあたり、販売者に相談する必要はあるかもしれませんが、打ち合わせに時間を取られない分、スムーズに進められる傾向にあります。それに対して注文住宅は、建売住宅と違って打ち合わせから時間をかける必要が出てきます。特にこだわりの部分が多い場合は、設計事務所を探したり、打ち合わせを重ねたりと、ある程度の時間がかかってしまいます。
どちらの住宅がおすすめかと言えば、これは好みによって異なります。建売住宅はそれほど時間をかけずに購入ができますが、自分の思い通りの設計にできないという点がデメリットとして挙げられます。オプションが用意されていることもありますが、できることには限りがあるため間取りや使い勝手に不満が出てきても、そのままという場合も少なくありません。通常、建売住宅は数十棟規模で建てられますので、隣の家と似たような建物に住むことになります。家同士の間隔が狭い場合も多く、それが気になる場合は避けたほうが良いでしょう。
注文住宅は、設計や建築の依頼先を探すことから始める必要があるため、着工する前からかなりの時間がかかります。そして建物だけでなく、土地の購入についても考慮しなくてはなりません。一部の金融機関では、住宅ローンよりも高い金利を設定しているところもありますので、注意する必要があります。手間と時間がかかるというのが注文住宅のデメリットになりますが、時間をかけた分、完成した時の喜びはひとしおですし、間取りや内装などといった自分の希望を盛り込んだ住宅を建てられるということは、建売住宅にはないメリットです。